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関西vs関東若手漫才対決勃発殺人事件前編予告編

1 :司会進行:はりけ〜んず:04/03/26 00:01
こんな感じの
中川家 VS くりぃむしちゅー
フットボールアワー VS アンタッチャブル
ますだおかだ VS おぎやはぎ
2丁拳銃 VS 品川庄司
笑い飯 VS キングオブコメディ
千鳥 VS ポイズンガールバンド
麒麟 VS スピードワゴン
チュートリアル VS タカアンドトシ
ハリガネロック VS 18KIN
アメリカザリガニ VS 飛石連休

701 :じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ :04/09/29 04:38:02
「はあ?あんた、何言ってるんですか?そんな事できるわけないでしょう。」
 石を手にしているツッコミらしき男がバカにしたような笑みを浮かべた瞬間だった。
矢作が男が手にしている石に向かって叫ぶ。

「その二つの石を渡すんや〜!!」
「・・・・・!!!」

間の抜けた関西弁で矢作が叫んだ瞬間、男の手のひらの石がまるでカメラのフラッシュの様に強烈に発光した。
「はい・・・どうぞ・・・。」
石を手にしていた男はふらふらと操られたように矢作に石を手渡した。
「どうもありがとうね。」
一つを小木に向かって投げ、自分のポケットにしまう。

「お前、何渡してんだよ!!」
「え?!オレ、今何したの?」
 やっと我に返ったツッコみらしき男にボケらしき男が声を荒げた。矢作の能力によって暗示にかかり、
無意識に石を渡してしまったようだ。



702 :じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ :04/09/29 04:48:22
 矢作は先ほどの暗示でかなりの力を使ったらしく、今にも倒れこみそうに肩で息をしていた。
「矢作・・・?、平気?」
「ぜぇぜぇ・・・。ん・・・何とか・・・。」

「石を寄こせ!」
「うわぁっ!!!」
 ボケらしき男が弱っている矢作を突き飛ばす。
「矢作ぃっ!!!!」
 そのまま矢作の上に馬乗りになり、ポケットを漁ろうとする。そのままツッコミらしき男に向かって叫ぶ。
「早く・・・早く石をよこせ!!!おい、押さえつけろ!」
「とりあえず、矢作さんをさらってからにしよう!小木さんは何もできないって。」
「・・・うわぁ・・・小木ぃ・・・!!!」

矢作の悲痛な叫び声を聞いた瞬間、温厚な小木の中で何かが弾けるような音がした。

おろおろと事態の進行を見守っている顔から一瞬にして何の表情も伺えないような、冷酷ともいえる無機質な顔つきになった。

「あんたたち・・・いい加減にしなよ・・・。本気で殺しちゃうかもね。」

703 :じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ :04/09/29 05:16:54
 小木のまるで底の見えない湖のような暗い眼差しと、その表情から男達はゾクリと背筋の凍るのを感じた。
 得体のしれない恐怖を振り払うように叫ぶが、ツッコミの男には恐怖がにじんでいるせいか、うまく声を荒らげる自信がない。ツッコミの男が矢作の首を掴んで立ち上がりと叫んだ。

「あ、あんたねー、矢作さんがどうなってもいいんですか?こっちはナイフ持ってるんだ!石を渡さないと・・・!」

矢作を無理やり引き起こすとナイフを首筋に構えた。
「・・・・・・お・・・ぎ。にげ・・・ろ。」
 矢作はぐったりと目を閉じたまま、小さな声で小木の名前を呼んだ。さっき、男に押し倒された時に頭を打ったんだろうか?

「矢作・・・、ただうなづくだけでいいから。」
「・・・・・・?」
「オレ、特殊部隊の傭兵になりたい。すげえ強い暗殺者にどうしてもなりたい!」

 矢作が完全に気を失う瞬間だったのか、それとも頷いたせいだったのか首をガクリと落とした。

承認だね・・・。

その瞬間、小木の石がまばゆいばかりに発光し、目つきが一瞬で変化したように見えた刹那。矢作の首筋にナイフを構えるツッコミ風の男に音もなく近づくと手刀をナイフと首筋にたたきつけた。
「うわぁあっ!!!」
ガクリと気絶する瞬間、崩れ落ちる矢作の身体を打って変わったように優しく抱きとめると、ゆっくり床に寝かせる。
「え?あ・・・?嘘だ・・・?」
 小木の能力による変貌ぶりと、崩れ落ちる相方に男が呆然とした瞬間だった。
「ぐわっ!!!」
 首に巻きつく小木の腕の存在を感じた。
「ねえ・・・本気で折っちゃうからね。で、どっからこの石のこと知ったの?」
「ぐ・・・、ぐぅ・・・っ。」

704 :じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ :04/09/29 05:45:41
「ねえ・・・教えないと本当に首折っちゃうよ。矢作をあんな目に合わせてこっちは気が立ってるんだからね。」
 気が立ってるとは思えない小木の無機質な声と、ギリギリと締め付けられる小木の腕から逃れようとしても、ビクともしない。けして体力に差があるとも思えないのに・・・。

 これが石の力のせい?このままじゃ、本当に殺される・・・。

 男が苦悶の表情を浮かべながら口を開いた。
「それは・・・彼らが・・・『黒いユニット』・・・・・・。」

 その瞬間、男の身体が発光した。バシッ!!!という砕けるような音がした。
「うわぁっ!」
 特殊部隊になりきっている小木は光から目をつぶる。視線を男に戻すと、気絶していたはずのツッコミの方の男が
さっきの凶悪な様子からは別人のようにキョトンとした顔で小木を見つめていた。
「小木さん?何やってるんですか?」
「・・・・・・?」

首を絞められているボケの方も驚いて手足をバタつかせている。
「小木さん・・・!苦しいっすよ!何してるんすか?!」
「あ、ごめんね。」

 力を解除させ、締め上げている首から腕を放した。さっきまでの男達とは別人のようだ。
「ねえ?どうしたの?」
「そんな事、こっちが知りたいですよ!ぼうっとしてたら矢作さんも相方もぶっ倒れてるし、小木さん首絞めてるし。」

 すっとんきょうな二人のやりとりに気が付いたのか矢作がうっすらと目を開けた。
「矢作!大丈夫なの?」
「小木・・・こいつら・・・・何も覚えて・・・ないんじゃねえの?」
「え?」



705 :じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ :04/09/29 05:52:04
「覚えて・・・ないの?矢作襲ったり、石を・・・。」
 二人の見習いの男達は不思議そうに小木を見つめていた。

「え?石ってなんですか?俺ら養成所の稽古場に行ってたらなあ?」
「うん。気が付いたらここにいるし・・・、矢作さん倒れてるし、ナイフ落ちてて・・・小木さん、相方の首絞めてて・・・????」

混乱する若手達に小木と矢作は二人で思わず顔を見合わせた。
「これって・・・。」
「ああ、まずいよな。よし、何もかも、忘れるんや〜!!!!」

706 :じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ :04/09/29 06:10:55
 すぐそばで石の能力の強い波動を感じ、スピードワゴンの二人がおぎやはぎの楽屋に急いでいた。
「大丈夫かな?あの二人!なんかヤバいことに巻き込まれてないといいけど!!」
「ああ・・・、最悪の事態を覚悟しといたほうがいいな!」
 石を握り締め、楽屋のドアを開けた。

「小木さん!矢作さん!」
「あれ〜?君たちどしたの〜?」
「・・・・・・え?」

ドアを開けるとそこには、のんびりと昼寝する矢作と手作り風のお弁当を囲む、小木と見知らぬ若手の姿があった。
「いや・・・「アレ」の強い力の波動というか・・・」
外部者がいるため、声が小さくなる。

「ん?気のせいじゃない?ずっと俺ら弁当食ってたよ。食う?」
「あ!スピードワゴンさんだ〜。」
「小木さんの手作り弁当最高っすよ!」



707 :じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ :04/09/29 06:12:01
矢作は疲れたようにぐったりと眠っていた。すやすやと安らかな寝息を立てている。 

「・・・あれ?気のせいかな?」
「え・・・?だって・・・?」

「いいから食べなって。ロケ弁じゃ栄養偏っちゃうでしょ?」
 そういうと、小木は井戸田の口にミートボールを放り込んだ。
「はあ・・・。んぐっ、うまい!おざーさん!これバカウマだよ!」
 死語を叫びながら小木の弁当を頬張る井戸田を尻目に小木は小沢に近づくと耳元でそっとささやいた。

「『黒いユニット』に気をつけてね。」そういって黒いガラスのような小さな破片のようなものを渡した。
「小木さん、これ・・・?」
「さっき、あの子たちのポケットに入ってたの。何にも覚えてないみたいだけどね。人を操る力とかさ、あるんじゃない?わかんないけど。」
「・・・・・・。」

「おざーさん!弁当なくなっちゃうよ!うまいよ!」
「ホラ、小沢君、早く行きな。」
「あ、すぐいく〜!」 

 何かの前兆のような予感がした。この黒い破片のほとんど力は失ってはいるが未だ禍々しさを湛えている光には。

悪い事が起きませんように。みんなをお守り下さい・・・。

小沢はポケットの中の自分の石を握り締めると、黒い破片を鞄にしまい、井戸田の方へ向かった。

(終わり)

708 :じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ :04/09/29 06:17:28
すいません・・短編のつもりが結構ダラダラした長編になってしまってすいません_| ̄|○

勝手に作った「黒いユニット」ですが全然スルーしてかまいませんので・・・。
ユニットと逆の考え方か、悪の集団があったほうがわかりやすいかなあ・・・と。

709 :名無しさん:04/09/29 06:53:57
面白かったです。弁当作る小木想像したらワロタ。

710 :名無しさん:04/09/29 16:42:46
じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ さん乙です!
黒いユニット良いですねー。本編とうまい事絡んでくれると面白そうですね!
でも、悪人って事になると難しいんだろうなー…。

672 ◆1En86u0G2k さんも乙です!エレキの能力気になりますねぇ。楽しみにしてます!
無理しない程度にがんがって下さい!

711 :156=421 ◆SparrowTBE :04/09/29 17:25:40

突如、強い光が辺りを照らした。

「いやっ!!もう何よ!?」
余りの強さに、友近は目を押さえて蹲る。
「川島っ!!」
光の先から聞こえてきた声に、川島は目を見開いた。
「…たむ…らっ?」
川島は伏せていたお陰で平気だが、友近はまだ目を押さえて蹲っていた。
そしてすぐに光の中から田村の姿が現れ、川島の体を抱き起こした。
「石の…力を…?」
川島は力無く田村を見上げる。
そんな川島に、田村は泣きそうな顔で答えた。
「当たり前やろ!!お前一人置いていけるかっ!!」
「田村…。」
田村は、川島を再び横にさせて友近の方へと向き直った。
「…川島、お前はいつも一人で背負い込みすぎるけどな…俺等二人で麒麟やないか。」
友近が怒りの形相のまま身を起こす。
田村は石を強く握り締めた。


「俺かて、戦える。」

その手はもう震えていない。


712 :156=421 ◆SparrowTBE :04/09/29 17:26:37

「もうっ!肌荒れちゃうじゃない!!アイツもやっちゃって!!」
ヒステリックに友近が叫ぶ。
しかし蝶はふらふらと見当違いの方向に飛び回る。
「な…何…あなた達、どうしちゃったのよ!?」
「なんかの漫画で読んだんやけどな…」
田村は不敵な笑みを浮かべながら石を構える。
「蝶っつうのは強い光があると方向感覚失うんやで!!」
田村の石が光を放った。

「おらぁっ!!」
田村は力強く腕を振り上げ、石の光によって次々と蝶を倒していく。
地面に落ちた蝶は、僅かに光を発しながら消滅していった。
大量にいた蝶も、少しずつ数を減らしていく。
田村は視界を蝶に邪魔されながらも、段々と友近の方へ歩み寄っていった。


その時だった。

「ぐあっ…!!」
後ろから聞こえた声に田村が振り向くと、いつの間に移動したのか友近が川島の腕をねじりあげていた。
「田村さん、そんなに相方が大事なら側に置いておかなきゃ。」
友近はまた妖しい笑みを浮かべている。


713 :156=421 ◆SparrowTBE :04/09/29 17:27:17

「川島っ…」「動かないでっ!!」
鋭い声をあげ、友近は石を川島の口元へ持っていった。
「ただでさえ弱ってるのに…更に毒を吸い込んだらどうなると思う?」
川島はなんとか抜け出そうと身を捻る。
しかし、石の力なのか、もしくは追い詰められたからこその力なのか、女とは思えないほどの力が川島を押さえ付けた。
「石を捨てなさい。そうしたら川島君を放してあげるから。」
石を手放す…つまり、蝶の攻撃をまともに浴びろということだ。
田村はぎり、と奥歯を噛み締めた。
―どうすればいい?
どうしようもなく、石を持った手を下ろした。

「田村ッ!!」

川島の声が響く。
田村は弾かれるように顔を上げた。
押さえつけられている川島の、その燃えるような目が田村を見つめていた。
その目を見た田村は、ぐっと唇をかみ締める。
そして、石を構えた。


714 :156=421 ◆SparrowTBE :04/09/29 17:27:57

田村裕(麒麟)
石・・・・白水晶(正式名:クオーツ)
能力・・・・光を発する。目を眩ませることにも使えるし、衝撃波とすることもできる。
    光には熱も伴うので、力を収束させるとかなりの高温になる。
条件・・・・使いすぎると体力を消耗する。
    自ら放つ光なので周りが暗い場所の方が力は強くなる。

何か少ないですが田村の能力です。
これから追加とか出てくるかもしれません。

715 :156=421 ◆SparrowTBE :04/09/29 17:28:39
またも短いですが続きです。
田村の石を開放させてしまいました。
コンビで対になるようにしたのですが、まとめサイトさんのタイトルがぴったりでビビリましたw

気が早すぎますが、次に書きたい麒麟の話。
白ユニット(仮名)話を書きたいと思っています。
前に次はアメリカザリガニを出すといっていましたが、考えてた能力が違う芸人さんの案で出てた…_| ̄|○
予定は未定であり決定ではないので、次には誰が来るか判りません。


716 :名無しさん:04/09/29 17:46:38
156=421 さん乙です
たむちゃんがカコ良くてビビりましたw
続き、次の麒麟の話楽しみにさせて頂きます
がんがってください

717 :名無しさん:04/09/29 17:47:25
>前に次はアメリカザリガニを出すといっていましたが、考えてた能力が違う芸人さんの案で出てた…_| ̄|○

角田と見た!
でもまだ案の時点だから、いいんじゃないすかね?

718 :716:04/09/29 17:47:53
すいません 次の話まだ決定してないんですね
先走りしすぎた…_| ̄|○モチツケジブン

719 :619 ◆QiI3kW9CIA :04/09/29 20:00:06

「いいもん拾っちゃった」
庄司は道端で拾った石を品川に見せた。
一見ガラス玉の様なそれは、日光に反射してやわらかな光をちらつかせている。
「なんていうんだろ、これ。知ってる?」
綺麗だよなぁと言いながらそれをコロコロと転がした。
品川は庄司の石をじっと見た。
色、形は違うものの、それは自分の持っている石と同じような感覚がする。
数日前、石が「解放」した品川は、その日からよく襲われるようになっていた。
原因はやはり同じように拾った石だった。
人並み外れた力を手に入れようとする奴が多いのだ。
その中に能力つきの人間も少なくない。結構な人数が所持しているという噂も流れている。
さらに「能力」を使った後のダメージも大きく、損ばかりだ。
幸い、庄司の口ぶりではまだそれは「解放」していないらしい。
出来るなら、何も知らない方がいい。
「ただのビー玉なんじゃねぇの?」そう言って品川は立ち上がり、部屋から出た。
庄司はまだコロコロとビー玉のようなものを転がしていた。

720 :619 ◆QiI3kW9CIA :04/09/29 20:00:55
缶ジュースを飲みながら、胸元の石を品川は取り出した。
割と大きめのその石は、自分に何か語りかけているようにも見えた。
「やっぱりアイツも持ってたのか・・・」


「何を持ってるって?」

物陰から突然、数人の男の声がした。
顔を見てもよく思い出せない。ここ最近襲ってくる奴がリーダー格のようだ。
手にはナイフのようなものを持っている。

「何か用か。」
「すぐに済みます。大人しく石を渡せば何もしません。」
「いい加減覚えろ。俺には勝てねぇって。」
「今日は人数が違いますよ。」
リーダー格は笑った。男たちが臨戦態勢に入る。

「何人来ても一緒だ」
一斉に男たちが品川に襲い掛かかった。
品川は掌に握り締めている石に力を込めた。石が内側から輝く。そして目を瞑った。

右から3人、刃物を持って突っ込んで来た。左からは4人。
そして品川の体をナイフが刺した。


721 :619 ◆QiI3kW9CIA :04/09/29 20:01:37

男たちは笑った。品川は動かない。
しかし品川が目を開けると、その形勢は逆転した。
右の3人の男たちのナイフは3人の男たちを貫いていた。
そしてもう一人の男は、品川に殴られて床に落ちた。ナイフは品川の手にあった。
品川の周りに、気絶している男が一人、腕を押さえているもの6人が倒れた。
その光景に、男たちは血の気が引いていき、やがて逃げていった。

そして3分が過ぎた頃には、そこにはリーダー格しか残っていなかった。
「言っただろ。何人来ても一緒だ。」
そう言うと、またリーダー格は笑った。目が少し血走っている。
「そうですね。でも、今日は石を渡してもらいますよ」
「だから無理だって言ってんだろ。」
「いや、今日はあんたの石を奪います。
 俺も石を貰ったんでね!」
男は小さな欠片をポケットから取り出し、握り締めた。
するとみるみる男の腕が膨れ上がり、身長と同じ位までに膨張した。
「行きますよ!」

男の腕が振り下ろされる。品川は後方に下がった。
再び石を握りしめ、その場に立つ。そしてゆっくりと目を閉じる。



722 :619 ◆QiI3kW9CIA :04/09/29 20:02:16

「どれだけ殴ろうとしても、俺には当たらない。」
男の腕は、品川の頭に振り下ろされた。

床に、男の腕の作った大きな穴と、倒れた男がいた。
「こんなんじゃ俺は倒せねぇ。」
黒い欠片は、品川に踏まれて粉々になっていた。



723 :619 ◆QiI3kW9CIA :04/09/29 20:07:39
品庄話、書いてみました。
黒い欠片の辺りはじゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ さんの
「黒いユニット」を借りました。ダメだったらすみません。
言葉使いが難しい_| ̄|○

724 :名無しさん:04/09/29 23:41:43
カンニング編を申し出た者です。
少し迷ったのですが、意を決して投下する事にしました。
もし不都合があれば番外編扱いにしてもらって構わないです。



『Blaze&Freeze』

1話・ささやかな変化〜或いは予兆〜

もう充分深夜と呼べる時間帯。
繁華街から少し外れた人通りの少ない路地を帰路に着く男が居た。
「暑・・・・・・」
少し神経質そうな仕草でずり下がった眼鏡を上げるその男は、カンニングの竹山である。
薄暗く細い路地を慣れた足取りで歩きながら、竹山はチラリと腕時計を見て眉を寄せた。
深夜の収録の翌日に朝からアルバイトの予定が入っていた事だけでも充分不運だったのだが、予定より押した収録のせいで更に睡眠時間を削らなければいけなくなったのだ。
現在の時刻と明日の起床時間を考え、思わず小さく溜息をつく。
その姿はひたすら怒鳴り散らすネタ中の彼とは正反対だが、本来それ程荒い気性では無い竹山にとってはこちらの方が“素の自分”なのだ。
それ以前に、もし竹山が常にネタ中と同じテンションだったならアルバイトなど出来るはずも無いのだが。
「?」
家に帰ってからの予定を思い浮かべ、少しでも長く睡眠時間を確保するにはどうしたらいいかを考えながら歩いていた竹山は、コツンと何かが足元にぶつかった感触に、ふと視線を下に向けた。
薄暗い路地のアスファルトの上、何かがキラリと光っている。
「・・・・・・石?」
屈んで拾い上げてみると、それは少し小粒の透明な紅い石だった。
澄んだ紅い色から考えると、ルビーなのだろうか。
専門知識の無い竹山にはそれが本物かどうか確かめる術は無いが、その石は地面に転がっていたにも関わらず汚れ1つ無く、美しい輝きを放っている。
「・・・・・・」
一瞬の逡巡の後、何かに引き寄せられるように竹山はその石を上着のポケット入れた。

725 :カンニング編 ◆XfMC.NGhQw :04/09/29 23:43:29

――――同時刻。別の街の、とある並木道。

竹山の相方である中島は、ゆっくりとした足取りで自宅へ向かっていた。
いつも通っている路地が工事中で、ここ数日は普段滅多に通らない少し奥まった並木道を利用しているのだ。妻はもう寝ているだろうし急ぐ必要は無いが、少し面倒だと感じるのも事実である。
所々にある街灯は電球が切れて役割を果たしていないものもあって道は薄暗く、両脇に植えられた木が影を落としている。
これで柳なんかが植わってたら怪談話の舞台にはぴったりだな、などと思いながら歩いていた中島は、視界の端に何か光るものを見つけ、立ち止まった。
無視して通り過ぎる事も出来たのだが、なんとなく気になって光が見えた方に歩み寄る。
「何だこれ・・・・・・石?」
道端にしゃがみ込んでそこに転がっているものを見てみると、それは小さく透明な蒼い石だった。
先程光っていたのはどうやらこれのようだ。少し黒ずんではいるが、色合いからするとサファイアのように見える。
ふと好奇心にかられてその石を拾い上げた――――その瞬間。
『――――!』
「・・・・・・?」
一瞬の間、吸い寄せられるように石の深い蒼に見入っていた中島は、微かに聞こえてきた声に立ち上がって辺りを見渡した。
だが、薄暗い深夜の並木道には人影は全く無い。
中島は首を傾げながらも、無意識の内にまるで当たり前のようにポケットに石を入れていた。
「・・・・・・」
今の声は何だったのだろうか。内容は聞き取れなかったが、怒りとも悲しみともつかない激情が込められた声だった。
そして、その声には確かに聞き覚えがあるような気がしたのだが。
――――そう、とても身近な。

再び歩き出した中島は気付かなかった。
石を拾い上げた瞬間に渦巻いた、先程までと明らかに違う冷たい空気。
そして、彼のすぐ傍の街路樹――――その幹に、鋭い何かにえぐられたような細かい傷がいくつも刻み込まれていた事に。



すいません、うっかりageてしまいました・・・・・・次からは気をつけます。

726 :名無しさん:04/09/30 13:10:57
書き手の皆様方、乙です。

チャブ話書いているのですが、出来たら投下してよいですか?

727 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/09/30 13:31:12
>>633-641 の続き

余りの身体の動きの軽さに、意識が置いていかれそうになる錯覚。
未体験の速度で流れる視界、そして、全身に感じる躍動感。
「・・・ゃっほぉ!」
ただ走っているだけなのに、思わず声を上げてしまうほどにまで磯山の意識は高揚する。

「させるかっ!」
もちろん、男も自分の間合いに安易に磯山を飛び込ませるつもりはない。
インカローズに意識を集中させ、光の帯を磯山へと放つ。

けれど磯山は臆する事なく固めた右の拳を振り上げ、飛来する光の帯を逆にカウンターとばかりに殴りつけた。
ただでさえ磯山は肉体強化の石を持ちながら、さらに小沢から肉体強化の言霊を貰っているのだ。
青みがかった紫色の光に覆われた拳は易々と光の帯を破壊し、濁った緋色は眩く四散して消える。
「この程度で・・・足止めできると思ったのかよっ!」
高らかに響く磯山の声。
思わず男は身構えたけれど、その視界に磯山の丸々とした姿はない。
「・・・・・・・・・・・・っ!」
まさか。
男が前方に飛び退きつつ背後を振り返った、その瞬間。
ハンマーで殴られたのかと錯覚するぐらいの、重く威力のある中段の突きが男の腹部に命中した。

「・・・・・・ぐぅっ」
どうやら光の帯が破裂した時に生じた緋色の輝きに無自覚ながらも男の意識が向けられていた間に、
磯山に素早く背後に回り込まれたらしい。
「・・・わかったろ? 今の俺に、お前の石は通用しねぇよ?」
何とか倒れないようにこらえ、男は腹を押さえながら呼び掛けてくる磯山を睨み付けた。
バイオレット・サファイアから沸き上がる紫の輝きに包まれたその姿はどこか漫画のヒーローめいていて。
男の内側で怒りが燃える。

728 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/09/30 13:32:36
「・・・・・・嘘だっ!」
「真実、だ。」
男の叫びと共に、すかさず深紅の光のヘビが磯山に向かって放たれるけれど。
今度も磯山にダメージを与えるには到らなかった。
しっかりと男を見据えながら、磯山は光の帯を裏拳で軽く払い落としたのだ。

いくら今まで石を使い続けたために男も精神的にも疲弊して、本来の威力に及ばなかったとはいえ。
よりによって・・・裏拳で。
・・・馬鹿にされている。
そう感じると同時に、男の持つインカローズから、ジワジワと幾筋もの光の帯が漏れ出だした。
それは今までのシマヘビのような下手すれば手にも乗りかねない小ぶりな帯ではない。
「知らねぇぞ・・・俺がちょっと本気を出したら・・・貴様らなんて・・・!」
呻く男の眼差しは、今まで以上の濁りを帯びていた。
石と男の負の感情が共鳴して、やがてインカローズの発する輝きの中から九本の帯・・・
いや、九つの鎌首を持つ大蛇が喚び出される。
いずれもその口から舌を出し、シャーシャーと威嚇する音が聞こえてきそうなほど。

「磯・・・気を付けて。」
今まで何発も光の帯を放ち、男も消耗している筈なのに。
まだこうした大技を隠し持ち、そしてそれを放とうとするだけの余力が彼にはあった・・・・・・
それだけでも充分に脅威である。小沢の言葉のどこにも冗談めいた調子は見られない。
「・・・はい。」
小沢の方は向かず、ただ短く磯山はそう返す。
「でもさ、何か今の俺・・・かめはめ波だって撃てそうな気がするんだよね。」
その表情に怖れはない。無謀や慢心に憑かれていないと言えば嘘になるけれども
ただ、凛として揺るぎのない自信が磯山の顔には満ちていた。

729 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/09/30 13:33:48
ギュッと拳を握り直せば、青紫の輝きが拳を守るように・・・そしてその威力を増すように表面を覆っていく。
「死ねよぉっ!」
「よっし、バッチ来ーいっ!」
男と磯山、上がった咆吼の方向性は真逆にも思えるが、ともあれ深紅の大蛇は磯山に動き出した。
拡散して放たれた大蛇の頭部が、同一の目標目掛けて一斉に襲いかかる様は
不気味でありつつどこか美しくもあるけれど。

それでも、磯山は屈さなかった。
意志で石の力を引き出し、渾身の一撃で大蛇の頭部を一匹、また一匹と潰していく。
体躯の割には運動神経が優れている方ではあるが、決して格闘技を習っていた訳ではなく、
芸人仲間とプロレスを嗜む程度。
地表を蹴り、跳躍して空中の大蛇の頭部を殴り倒そうとする磯山の姿を
いつもここからの山田などが見たら、アドバイスの一つもしたくなるだろう我流のスタイルである。
けれど蛇の頭部が弾けた時に生じた衝撃にも退かず、磯山は襲いくる大蛇の頭部に立ち向かっていく。
その様はギリシャ神話に伝えられるヒドラと闘うヘラクレスのよう。


・・・彼の小さい背中が、どうしてこんなにも頼もしげに見えるのだろう。
また一匹の大蛇の頭部が潰れ、放たれた衝撃波に蹌踉めきながらも小沢はそんな事をふと思う。
彼はついさっき、己の石を手にしてその扱い方を身に付けたばかりなのに。
こうして戦う事が、怖くはないのだろうか。これが、若さというモノなのだろうか。

「違う・・・。」
小沢のアパタイトが有する石を封じる力。
磯山や野村のバイオレット・サファイアには無いこの力が澱み暴れるインカローズを封じ、
この戦いを終結させてくれる事を願っているから、信じているから。
だから、彼は全力で戦えるのだろうか。
相方や他の芸人からのツッコミやフォローがある事を信じているから、
アドリブでボケられるのと同じように。

ならば、その期待にはきちんと小沢も応えなければならない。
チラッと男を見やれば、彼の意識は磯山と大蛇の制御にのみ向けられているようだった。

730 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/09/30 13:35:05
・・・今なら、封印できる。

  「もうこんな遊び、終わりにしない?」

封印の言霊を口にして、小沢は指を鳴らそうとする。
言霊の発動の瞬間を待ちわびるかのように、アパタイトから青緑の輝きが漏れる。

しかし。
「・・・・・・・・・っ?」
男の方に向けた手の、指が、小沢の意志に反してピクリともしなかった。
肘から先だけが金縛りにあったかのように、小沢の思う通りに動かす事が出来ない。

「・・・小沢さんっ?」
小沢が違う言霊を放とうとしたために、磯山を覆う青緑の輝きは薄れている。
しかし、男のインカローズを封印できた様子は目の前の大蛇が健在な事からも伺えず、
磯山は小沢に呼び掛けた。

「おかしいんだ、指が鳴らせない・・・封印が・・・出来ない・・・。」
「え・・・っ?」
大蛇から意識を逸らしたつもりはなかった。
けれど小沢からの返答に、一瞬だけ磯山に隙が生じたのは事実だろう。

「そこだぁっ!」
男の咆吼が磯山に伝わった瞬間。
一匹の大蛇が磯山の腹部に喰らいついていた。

731 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/09/30 13:44:09
今回はこの辺で。
書き手の皆さんが増えてきてるお陰で、
ちょっと目を離した間にスレが伸びててビックリしました。

>>646さん
気付いて下さってありがとうございましたw

732 :672 エレキ2回目いきます ◆1En86u0G2k :04/10/01 15:10:05
「………ってえ…」
崩れた段ボール箱の中に茶色い頭が沈んでいる。
箱で衝撃はいくらか和らいだが、それでも直撃した腹はずきずきと痛んだ。
「なーんだ、まだ使えないのかよ、石」
反撃の気配がないことを悟った男が優越感に満ちた言葉を降らせてくる。
こいつが成そうとしていることもそのやり方も、これで十分理解した。いっそ十分すぎる程だ。
「もう一回だけ聞いてやろうか。俺に協力する?」
痛みで途切れてしまいそうな言葉の代わりに、冗談じゃないっての!という目線を力一杯ぶつけてやる。
顔をしかめながらも見上げてくる今立のその鋭い眼差しを、男はふん、と鼻で笑って受け流した。
「…いい気になってんじゃねえよ」
男の苛立ちを代弁するように石が鋭く瞬き、再び衝撃。
咄嗟に腕を交差させガードを試みたが、どん、と鈍い音がしてそのまま身体は叩き付けられる。
本当に消したら大騒ぎになるから駄目か、と物騒なことを呟いて、
「代わりに石でももらっとくかな。どうせ大した力もないだろうけど?」
もはや自分に興味はないと言わんばかりの声。
こういう考えを持った奴に複数の石が集まれば、事態はさらに深刻になる。
吹き飛ばされたはずみでポケットから転がり出た石を、今立は咄嗟に強く握り締めた。

ふらふらと上半身を起こした今立の頭上で、男が唇を歪ませて笑う。
「抵抗しないほうが身のためだと思うけどね」
「………っ」
自信たっぷりってわけかよ、くそ。今時警察でもそんな台詞言わねえぞ。
咳き込みつつ心の中で飛ばしたツッコミと、それはほぼ同時に。
「−なにやってんだよ、おい!」
男のものでも今立のものでもない声が、その廊下に響き渡った。


733 :672 エレキ2回目いきます ◆1En86u0G2k :04/10/01 15:12:13
今立は目を見開いた。
髪型が作る独創的なシルエット、いや、そんなものがなくても見間違うはずのないー
(谷井…!?)
なんでお前がここにいるんだ、その手に構えてるもんはなんなんだ、と
(ちなみにそれは廊下にあった灰皿スタンドだった)疑問はいくつも湧いてきたが、
「…バカ、来んなって!」
慎重に間合いを計りながらもこちらに近付こうとする相方に、まず叫んだ言葉はそれだった。
「何やってんだよ!危ねえだろ、」
「危ねえから来たんだっつうの!」
谷井が負けずに怒鳴り返す。少々腰は引けているものの、まっすぐに男を睨みつけたまま。
その姿に今立は再度言おうとした「来るな」を飲み込んでしまった。
石を持った相手にほぼ丸腰で挑もうなんてどう考えても無謀だ。バカだ。けれど。
それなのに彼は来てしまった。危機に陥った自分を助けようと。

男は2人を交互に見比べ、へえ、と意外そうな声を出した。
「こりゃ感動的だ」
すごいすごい、とおざなりな拍手をするその態度は完全に彼等を見下しきっていて、
2対1になろうと自分の優位は揺らがないという確固たる自信が見て取れた。
(…腹立つけどその通りなんだよな)
あんなものを武器にしているのなら、やはり谷井の石も沈黙したままなのだろう。
2人掛かりならば無理矢理押さえつけて石を奪えるだろうか?とも思ったが、
度重なる攻撃のおかげで情けないことに自分は満足に動けそうもない。
それならどうやって、この場を切り抜けるー?
必死に回転させていた今立の思考は、ある光景のために一時停止を余儀無くされた。
「……うらぁっ!!」
目の前には、灰皿スタンドを大きく振りかぶり、男めがけて突進する谷井の姿があった。


734 :672 エレキ2回目いきます ◆1En86u0G2k :04/10/01 15:14:05
この後はライブだとか、もうすぐ皆が帰ってくるとか、そもそも男の石の力はどれほどかとか、
そういった様々かつ重要な事柄はここに来るまでにいつの間にかこぼれ落ちていたらしい。

一目みて想像以上にまずい展開だと察した谷井が反射的に選んだのは、特攻だった。
さすがに相手が生身の人間だということは承知して、あくまで威嚇のつもりではあったが
頭から振りおろしたスタンドは予想以上に重く、スピードが乗る。
(やば…っ、止まんねえ!)
焦る思いは幸運にも、そして不幸にも裏切られた。
ガキン!と金属が軋む音は男の頭蓋骨ではなく、その10cmほど手前の空間から鳴ったのだ。
まるでそこに見えない壁があるかのように。

危ないな、という抗議の言葉とは裏腹に、表情には不安の欠片もない。
男はスタンドの襲撃から自分を守った薄緑色の壁をちらりと見やり、満足げな表情を浮かべる。
「便利だろ?急に襲われても平気だし、こういうこともできる…!」
右手を小さく、しかし勢いよく払うと、光の壁が谷井を受け止めたままぐん、と前進した。
「うわっ…!」
弾かれたスタンドが廊下の先へ吹っ飛び派手な音を響かせる。
急に逆方向にかかった力にバランスを崩され押し戻された谷井はその場に転倒しかけたものの、
後頭部の痛みと引き換えに壁がなんとか身体を支えてくれた。
「谷井っ!」
(……あちゃー…なんか俺、逆に心配されてる…)
あー俺カッコ悪い!と心中で嘆いた自分はまだ妙に余裕があるな、と谷井は苦笑したが、
それでもすでに悪いはずの状況にまだ悪くなる余裕があったのも確かだった。


735 :672 エレキ2回目でした ◆1En86u0G2k :04/10/01 15:21:41
ここで男の能力を

???(コンビの芸人らしい)
石……モルダバイト(隕石が衝突した際に生成された深い緑色の石。自然の理念に基づいた思考を導く)
能力…ごく薄い光の「壁」を作ることができる。
   ある程度大きさや堅さ、スピードを調節できるので、攻撃を防御するだけでなく
   小さいものを素早く飛ばして相手にぶつけるなど攻撃用にも使える。
条件…詳細は不明だが、精神力を使い過ぎると
   自由に操れなくなったり、壁そのものを出せなくなったりするらしい。

相手を誰にするか悩んだ挙句匿名のままになりました
次回分でエレキ2人の能力解放します
楽しみにしてくれてる方がいてとてもうれしい反面ちょっとおそろしい
期待に答えられるとよいのですが


736 :名無しさん:04/10/01 17:06:58
>>726さん

チャブ話是非読みたいです。人力かなり出揃いますね。

737 :名無しさん:04/10/01 18:32:23
大量投下、読んでる方にとっては嬉しいんだけども
まとめサイトにまとめんの大変そうだな…

738 :カンニング編 ◆8Y4t9xw7Nw :04/10/01 19:32:29
一気に書き手さんが増えましたね(そういう自分もその内に入るわけですが)
みなさん頑張ってください(そして私も頑張ります)
バトロワ並の盛り上がりになってくれるのでしょうか、ちょっと期待してます。

739 :カンニング編 ◆8Y4t9xw7Nw :04/10/01 19:33:17
スマソ、うっかり自分で付けたトリップを忘れてしまったので新しく付けました。
これからはこれでよろしくお願いします。

740 :ピン芸人@692:04/10/01 20:17:23
書き手の皆さん、お疲れ様です。

一昨日、ピン芸人の話を書きたいと申し出た692です。
長井秀和を先頭に名前を上げたのですが、実際の主役は劇団ひとりと波田陽区になりそうです。
長井さんの能力は出てきません。あくまで、二人を主役にと考えています。
番外編という事で好き勝手やっていますがお許しください。

読み応えのある作品の中、恐縮ですが投下させて頂きたいと思います。
オデンヌさん、みなさん、お手を煩わせてすみませんでした;
少し長めになりそうなのですがしばらくお付き合いください。

741 :ピン芸人@692:04/10/01 20:18:18


長井秀和はぐったりと楽屋の壁にもたれていた。
――― 一体いつまでこの生活が続くんだ…。
目の前の石は、そんな長井を嘲笑うかのようにギラギラと桃色の光を発している。
ゴツゴツとした形状。赤と白のマーブル模様。
常人の目から見れば美しいそれは、長井にしてみれば不気味な悪魔の石でしか無かった。

―――畜生!!
長井は乱暴に石を掴むと、その手を床にたたきつけた。
「…こんなもんに…ッ洗脳されてたまるか…!!」
振り絞るような声でそう叫ぶ。気がおかしくなりそうだった。
桃色の光はもはや熱気のように立ち上り、長井を飲み込まんばかりの勢いで渦を巻く。
長井の耳を、目を、五感の全てを光が奪っていった。
「…畜生…ッ!」
僅かに動く唇から漏れた言葉も掻き消されていく。
視界が真っ赤に染まっていく。やがて光も途切れ、長井も意識を手放した。



742 :ピン芸人@692:04/10/01 20:19:17


「劇団ひとり」こと川島省吾は大きくため息をついた。
今日は長井秀和と二人での収録の日だ。そのため長井と川島は、リハーサルの事も考慮して2時間前に
楽屋で落ち合う約束をしていたのだが、時間になってもまだ姿を表さない長井に川島は気を揉んでいた。
「…おっそいよー。何やってんだよあの人―。」
すねたような口調でそう言っても、ピン芸人である彼の言葉に答えてくれるような相方はいない。
寂しくもう一度ため息をつき、川島は横になっていた体を起こして携帯に手を伸ばす。
しかし電源が入っていないのか長井の携帯は留守電に切り替わっていた。
プツ。川島は携帯を放り出すと、畳の床にだらしなく転がった。
「なーんででねぇんだよー…」
長井が来るまで寝て待っていようかと目を閉じた瞬間、

コン、コンコン
ドアがノックされた。
「来た来た来た。」
何の警戒心も抱かずドアを開けると、なんだか寝起きのような表情の長井がそこに立っていた。
「おそいですよ長井さーん!…なんか顔色悪いじゃないですか。大丈夫ですか?」
「……」
低すぎるテンションで長井は小さく頷く。顔色が悪く、見た限り大丈夫そうには見えない。
とりあえずドアを閉めようと長井を部屋に促し、背を向けた。その刹那、ガァンッ、という音とともに壁から僅かな振動が川島に伝わる。
慌てて振り返った川島の目に飛び込んで来たのは信じられない光景だった。



743 :ピン芸人@692:04/10/01 20:20:09


長井の腕が、深々と壁に突き刺さっていたのだ。
昔のアクション映画のセットのように壁はひび割れ、川島は一瞬これは夢なのかと思ってしまった。
だらりと上半身を垂れ、俯いているため顔色はうかがえないが
長井は笑っているらしい、独特の笑い声が漏れ、小刻みに肩が揺れていた。
「………長井…さん?」
呆然として長井に見入る川島。
だるそうにトロンと開いた目で川島を見据える長井。
「ひゃっはっはっははぁ!!」
突然体を大きく痙攣させると、長井は大口を開けて笑い始めた。大袈裟な音を立てて壁から長井の腕が外される。
哀れ壁には大きな穴が開いていたのだが、それを確認する余裕など川島には無かった。
次の瞬間には、手枷が外れた長井が猛スピードで体当たりを食らわしてきたからだ。
「…うッぇ…!!」
ガァンッ、と鉄製のドアが派手な音を立てる。思い切り叩きつけられ、川島は苦しそうにむせこんだ。
激しい痛みに体を震わせながら、川島は長井を見上げる。焦点の合わない虚ろな目が異様な光を発していた。
「なん…ッで…」
周りの状況が飲み込めない。
ただ、いつもとは明らかに違う長井の姿に川島は恐怖感を抱いた。



744 :ピン芸人@692:04/10/01 20:26:09
とりあえず、ここまで書かせていただきました。中途半端ですみません_| ̄|○
口調や人格がおかしい所がありましたら指摘してもらえると嬉しいです。

745 :合流バトル編 現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/10/01 23:49:23
>>604続き

「さて、第二回戦を始めようよ…。」
小沢と井戸田が工場内に入っていったのを確認すると
小木は須知に言った。
「ったく…出てきて欲しくない時に出てきて…嫌な奴らやな、お前らは。
 それに、その黒焦げの右腕で、焔を放つなんて、自殺行為やな。」
須知は小木を睨み付けると、そう言った。
小木の右腕は、先ほどの暴走で黒く変色していた。
先程、小沢を助けるために能力を使用したせいなのか、右腕から煙が立ち上っている。
「…何とでも言えよ、右腕なんて、お前らに勝つ為ならくれてやる。矢作…行くぞ!」
小木は矢作を呼んだ。
「任せといてよ、こっちの奴はもう止めといたから!」
矢作が近くの木の陰から現れた。
矢作の右手に、光る緑色の石…
「…!?何や…既に止められてたやと!?」
須知は動こうとするが、身動きが取れない。
「須知!」
木部が叫んだ。
「…俺はいい!木部!お前は逃げろっ!」
須知が木部に言う。
「何言って…お前を置いて俺が逃げるわけないやろ!
 俺がなんとかする、見てろ!」
木部はそう言うと何を思ったのか、飴を数個掴み矢作に向かって走り出す
「木部!!逃げろって!」
須知は叫んだ。
攻撃手段を持たない木部が、敵に飛び込むなんて、自殺行為だ…
が、木部は走りながら須知を見て「ニッ」と笑うと
「…俺は須知に助けられてばかりや…だからな。
 たまには、俺が助けたってええやん。」
と言った。
その時の木部の笑みは、何故だか少し寂しそうな笑みだった。

746 :合流バトル編 現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/10/01 23:50:20
「覚悟せぇや…!俺にはこの飴を光らせる事は出来んけど!
 須知を助けることぐらい…出来るはずや!」
木部は矢作に向かって走り、掴みかかった。
矢作の石を奪おうとするが、矢作は必死に抵抗する。
「うあッ…!…こいつ止めなきゃ…!」
矢作は須知を止めるために使っていた力をを一回止め、木部を止めることにした。
「させるかっ!!」
すると木部は持っていた飴を矢作の右手に思い切り投げつけた。

―ピシッ。

飴は須知が投げたように光りはしないものの
矢作の右手に鋭い痛みが走った。
「痛ッ…!!」
矢作は思わず石を地面に落とした。
「今や!石を…。」
木部が石に手を伸ばした瞬間。
「矢作の石は渡さねぇぞ!」
と小木の声がした…その時

747 :合流バトル編 現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/10/01 23:51:08
―ボウッ!

と木部の周りに、突然焔の壁が出現した。
焔が出現すると同時、木部の視界が
「…しまった…!!」
木部は顔を顰めた。
真紅の焔が、木部を取り囲み、燃え盛る。
「もうここまで…か…須知…上手く逃げろよ…。」
木部は目の前の焔を見て、言った。
焔は木部に徐々に迫っていく…。

「木部―!!!」
木部を取り囲む焔の外側で、須知は叫んだ。
「死なせない…死なせて…たまるかー!!」
須知は大量の飴を掴むと、木部を取り囲む焔目掛け、思いっきり投げようとした。

―ピキッ。

その時、須知の右手に、鋭い痛みが走った。
思わず須知は握っていた飴を地面にボタッ、と落とす
「痛ッ…何や…この痛み…でも、こんな痛みに負けてられへん!」
須知は自分にもう一度気合を入れると
飴を大量に掴み、思いっきり投げた。

748 :合流バトル編 現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/10/01 23:52:27
―ピキッッ。

「―――――!!」
口では言い表せないような激痛に襲われ、須知は顔を顰めた。
だが、飴は放たれた。
後は…飴が直撃して焔が消えれば――。
飴は光弾となって、焔に向かって一直線に進む。
「!飴が…燃やすッ!!」
小木が飴に気付き、焔を放った。
しかし、飴は小木の放った焔を切り裂き、木部を取り囲む焔へ…。

―ビュオオオオオオッ・・・。

凄まじい風が巻き起こり、木々が揺れ、葉が舞った。
そして、燃え盛る焔は光に掻き消された。
「…須知…!」
焔から脱出した木部が、須知に駆け寄る。
「木部!無事やったか…」
須知は木部を見て、安堵した表情を浮かべる。が…

「…矢作を危険に晒した罰だ、受けろ!!」
「!!」

749 :合流バトル編 現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/10/01 23:53:15
と小木の叫びが、木部の背後から聞こえた瞬間
「―――…ッ!!」
木部の背中に、燃え盛る焔―――。
木部は背中に焔を受け、その場に倒れこんだ。
パチパチと焔をあげて、木部の背中が燃え出す。
木部は倒れた拍子に、石を地面に落とした…。
「…木部!!」
須知の叫びが、空を裂いた。
「…須知…逃げ…。」
木部は、必死に須知に訴える、「逃げろ」と。
「逃げへん!お前置いて俺が逃げるわけないやろ!!待ってろ!今焔を消す…。」
須知は叫んだ。
そして、木部に駆け寄り、必死に火を消そうと努力しようとするが…。
「身体が…動かへん…。」
須知の身体は、ピクリとも動かなかった。
目の前に燃えて苦しむ相方がいるのに。身体が、言う事を利かないのだ。
「動かへん…動け!動けや!!」
必死にもがくが、身体は1ミリも動かなかった。
涙が、溢れてきて、須知の視界を滲ませた。

「…はい、失格―。」
「―――!!」
いつの間にか、木部の石は矢作に拾い上げられていた…。

―――ビッキーズ 木部 失格。
と、アナウンスが流れた。

「き、木部――!!」
須知の叫びは、木部に届くことはなく、木部は姿を消した。
木部の服が燃えた跡だけを残して。


750 :合流バトル編 現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/10/01 23:54:08
「…木部…。」
須知の小さな身体が、怒りに震えた。
拳を握り締め、唇を噛み締めた。
自分は、何て弱いのだろうか。
こんな能力を持っていながら、木部を助けられなかった。
須知は、自分自身に腹が立つのと、木部に苦しい思いをさせたおぎやはぎの二人への怒り
その二つが合わさって、須知の怒りは頂点に達した。
「殺さなかっただけ、感謝しろよなー…。」
そう言って、小木は須知の目の前に立つ。
「さて、お前の石、渡してもらおうか!」
小木はそう言って右手を天に翳し、焔の塊を創る。
「お前ら…!!」
鋭い目つきで、須知は小木を睨み付け、叫んだ
「…許さへん…絶対に許して…たまるか!!」
怒りに震えた須知の身体が、徐々に動き始めた。
そして、飴を掴み、思い切り小木に投げつけた。
「!!」
その飴は小木の頬を掠めた。思わず小木は焔を消し後ずさる
「木部の恨み…晴らしたる!覚悟せぇ!」
そういうと、須知は飴を手当たり次第に掴み
四方八方に投げ始めた。
「!?おい、矢作??動きを…。」
飛び回る飴を避けながら、小木が矢作に呼びかけた。
「!石が…石の光が…もう力が持たない!」
石の光がもう消え失せている事を確認し
矢作が、小木に叫んだ。
「何だと!?…くそ…。」
工場の入り口付近で、小木は立ち止まり、須知を見た。
怒りで我を忘れていて、手が付けられない状態である。
「…このまま逃げてるだけじゃ…!―――ぐふ…ッ…。」
そう言いかけた刹那…須知の投げた飴が、小木の腹部に直撃し破裂した。
腹部に拳を叩きつけられたような衝撃を受け、小木は工場内へ吹き飛んだ。

751 :現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/10/01 23:56:28
書き手の皆様方、乙です。

もっと投下スピードを上げてさっさとこの話を終わらせたいと思います。

すいません、メル欄に痛い表現アリって書き忘れてしまいました
気分を害された方、すいませんでした。

752 :名無しさん:04/10/02 10:04:35
このスレまだ容量大丈夫?投下のペースが早くなってきたからちょっと不安なんだけど。

753 :名無しさん:04/10/02 23:00:28
>>752もう1〜2週間か位したら、次スレ立てたほうが良いかも。
大体書き手さんは1回の投稿で5〜7レス位使ってるし、プラス感想等もあるし。
容量あと100だし。

754 :619 ◆QiI3kW9CIA :04/10/04 19:53:35

「ただのビー玉なんじゃねぇの?」
品川の言葉を思い出して、庄司は口元を吊り上げた。
品川、なんにも知らないんだ。
目の前には傷だらけの男が倒れている。

石を手に入れたのは数週間前の事。
淡い光を放っていたそれに、庄司は引き込まれた。
力が、自分の中に入ってくる感じ。それも強く。
庄司は石を拾い上げ、胸のポケットにしまった。
自分が、とても強くなった気がした。



755 :619 ◆QiI3kW9CIA :04/10/04 19:54:37
そして今に至っている。
あの日から襲われる事が多くなった庄司は、襲ってくる人間を片っ端から潰していった。
欲望を叶えたい。力が欲しい。それらの多くは石を持たない弱者だ。
中には能力者もいたし、石を封じようとする人間もいた。
そういう奴も、潰していった。石は奪った。
力を使って、相手を倒す。
いつしかそれが、彼の楽しみになっていた。

傷だらけの男の頭を踏みつけながら考える。
どうして自分はこんな事をして楽しいのだろうか。
本当にこんな事がしたい思うのか。
呻き声に耳を塞ぎながら、目を閉じた。
誰か、止めてくれないかな。
相方の顔が浮かびそうになったが、何処からか怒号が叫ばれた。
石が、眩しく輝く。体中に力が沸き起こる。
唇が吊り上る。
もう相方の顔なんて浮かばなかった。


756 :619 ◆QiI3kW9CIA :04/10/04 20:15:43
品川 裕(品川庄司)

石 ラブラドライト
能力 目を閉じれば、どんな攻撃でも「見切る」事が出来る。
    また、相手の隙を知ることも可能。

条件 瞬間的に使用(振り下ろされる瞬間にだけ使う等)すれば限度なく連続して使えるが、30秒以上見切り続けると強制終了する。
    また、「避ける」ことが目的の石なので、隙がわかっていても、
    その隙をついて相手にダメージを与えられるかは持ち主本人の力次第になる。


庄司 智春(品川庄司)

石 モルダヴァイド

能力 一時的に強い闘争心が沸き、高い戦闘能力が体に備わる。

条件 自力で制御できないほどの力が出るので、自由意志で戦闘を止める事はできない。
   闘争心は相手が倒れるまで消えることはない。
   また、闘争心をコントロールすることは難しく、操られているような状態になる。

757 :名無しさん:04/10/05 09:17:29
>>756
品川は「祐」じゃないの?

758 :619 ◆QiI3kW9CIA :04/10/05 16:21:40
≫757
間違えました。指摘ありがとうございます。


759 :名無しさん:04/10/05 22:16:28
書き手さんガンバage
どれも続きが楽しみだyo!!

760 :156=421 ◆SparrowTBE :04/10/05 23:44:49
田村は石を構え、襲ってきた蝶を薙ぎ払った。
その姿を見て、友近は高らかに笑う。
「やっぱり自分の命が大切なのね!?バカね!結局コンビなんてそんなものなのよ!!」
友近が石に力を込める。

「…馬鹿はどっちやろうな。」

川島が低く呟いた。
川島は渾身の力で友近の腕を掴み返すと、石の力を作動させた。
「たぁっ!!」
「きゃぁぁぁぁぁっ!!!」
勢い良く川島の体が影へと沈んでいく。
しかし友近だけは別で、勢い良く体を床に打ち付けた。
「な…なんでっ!?影は消えたはずじゃ…」
床で呻く友近の影の中から、川島が答えた。
「田村の力は『光』やで?それに照らされたら新しく影ができるに決まってんやろ?」
「でもっ…いつ…!?」
周りの蝶がいなくなったのを見て、友近から田村は急いで石を取る。
掠れた声で、しかし笑みを浮かべながら田村は答えた。
「俺らコンビやで?相方の考えてることくらい、目見れば判る。」
友近は田村を軽く睨みつけた後、気を失った。
力が抜けて、田村はその場にしゃがみ込んだ。

761 :156=421 ◆SparrowTBE :04/10/05 23:45:42

「川島っ!!かーしまっ!!」
田村が辺りを見回すと、その後ろの影から川島が現れた。
田村の表情が綻ぶ。
「川島っ!!これどうしたらええんや!!俺持っても暴走するんか!?蝶もう出てこんよな!?」
「煩い。」
川島はだるそうに答え、田村が握っている友近の石を見た。
―もう封印されている?
石は既に先程までの黒味が掛かった赤さから、ルビーのような透き通った色に変わっていた。
川島は軽く首をひねる。
「なぁ川島っ!!どうしたら…」
パニックを起こしている田村の頭をぺしりと叩いて、川島は友近の上に石を放り投げた。
「もう平気や。ええから帰るぞ。」
「は!?」
ふらつく足で進みだす川島を、田村が慌てて横から支えた。


762 :156=421 ◆SparrowTBE :04/10/05 23:47:53

「怒ってるか?勝手に石使おて。」
「…別に。」
答える川島の声は漫才前の「麒麟です」の時の声よりも低い。
これは怒ってるな、と田村は溜息をつく。
「俺はな、川島が心配やったから…」
「分かってる。」
「何があっても二人で背負っていこうってコンビ組む時に約束…」
「分かってる。」
「あのなぁ…」
田村は呆れて川島の顔を見る。
川島は正面を向いたまま口を開いた。
「今までの分、これからはお前に大量に背負わすから。」
「なんやそれ。」
田村と川島は顔を見合わせる。そして、お互いにニヤリと笑った。
「コンビに言葉は要らんのやろ?」
「単純だから田村の考えてることぐらいすぐ分かるんや。」
川島は照れたように顔を背けた。


「田村…早速背負って欲しいもんがある。」

「…は?」
同時に、がくんと川島の体が沈んだ。
支えていた田村の体も一緒に倒れこむ。
「川島っ!?」
「眠い…」
田村は慌てて川島を揺さぶるが、川島はすやすやと寝息を立てていた。
「どないせえちゅうねん!!」
意識を失っている友近、手の中にある輝く石、そして起きる気配のない川島。
それらに囲まれて、田村の悲痛な叫びだけが舞台に響き渡った。

763 :156=421 ◆SparrowTBE :04/10/05 23:48:55
いつもいつも感想有難うございます。
この辺で友近編は一応終わりになります。
ですが次に考えてる話には一応話的に続いてます。

容量尽きたらどうなるんだろなぁこのスレ。

764 :名無しさん:04/10/06 18:12:05
麒麟編の書き手さん乙です!いつもいつも楽しませて頂いてます。
友近さんの石は封印されたのかなーそれとも伏(ry
続き楽しみにしてるので、無理なさらずにがんがって下さい!


765 :名無しさん:04/10/06 19:16:13
麒麟書き手さん乙です
麒麟の仲の良さにほのぼのさせて頂きました
これからも無理せずマイペースにがんがってください

766 :名無しさん:04/10/06 20:30:29
次スレはタイトルどうするんでしょうか?

767 :名無しさん:04/10/06 20:59:20
>>766
【石の力】関西vs関東若手漫才対決勃発殺人事件前編予告編 2章【開放】
とか?
・・・長いですね_| ̄|○

768 :名無しさん:04/10/06 21:21:02
関西vs関東若手(中略)前編予告編の続き



769 :名無しさん:04/10/06 23:02:26
芸人板は、スレタイの字数制限が24文字までだそうです。
関西vs関東〜だと、スレの趣旨を表せてないと思うのですが
どうしたものでしょうか…。

770 :767:04/10/06 23:28:47
>>769
【不思議な力の】芸人と石 2章【宿る石】
こんな感じですか?多分趣旨も表せているし、字数も制限内ですが…ジシンナイナ

771 :名無しさん:04/10/06 23:47:24
【石の力】もし芸人に不思議な力があったら【開放】

772 :名無しさん:04/10/07 00:03:43
>>771
なんかワラタ
俺は好きだ、ぞれ

773 :名無しさん:04/10/07 01:54:07
「若手」はいれたほうがいいのかも。若手縛りが無くなるならいいけど。

774 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/10/07 05:42:41
>>727-730 の続き

「………っ!!」
頭部が相手に触れると同時に破裂し、至近距離からダメージを与える今までの蛇と異なり、
大蛇は磯山をその顎で捕らえてもその姿を保ったままである。
Tシャツや身を覆う肉をまったく無視した圧迫感が胴体に掛かり、
磯山は呼吸する事もしばし忘れてただ目を見開くばかり。

「な……磯っ!」
小柄ながらも重心が低く、安定しているかのように見える磯山の体躯が、
大蛇がもたらす圧力からズズ…と音を立てて後方へと押されていく。
小沢は叫ぶように磯山に呼び掛けると、アパタイトを磯山の方へ向けて指を鳴らそうとした。
しかし、相変わらず肘から先が石像にでもなってしまったかのように小沢の指は動こうとしない。

「あハ…はハは、まずは貴様からダ!」
手に握り込んでいるインカローズと同様に爛々と輝く目で男は二人を睨み付けながら、叫ぶ。
その声が変に裏返っているのは、戦いがもたらす興奮故か、それとも石の作用なのか。
ともかく、その指示を受けて大蛇は磯山と正面から力比べをするのを止め、その鎌首の向きを上へ変える。
何とかして大蛇の顎から逃れようと藻掻く磯山の足が、ふわりと大地から離れた。
「うぉっ…!」
「地面に叩キ付けられて…死ネっ!」
踏ん張り所を失って、思わず磯山の口からこぼれた音と、男の怒声が同時に響く。
僅かに生き残っている大蛇達も、磯山を咥える大蛇に協力してその身体を1m、2m、と持ち上げていく。
「クソっ…何で…この指…厭だ、厭だ、厭だぁっ!」
自由にならない腕をブンブンと振り回しながら、小沢が今にも泣きそうな声を上げた。

775 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/10/07 05:45:25
今まで、石を使っていた事で小沢の手足に痺れや感覚が通じなくなった事などは一度もない。
確かに今日は石の力を必要以上に使っているけれど、指が鳴らせないのはアパタイトのせいではないはず。
だとすれば、やはりこれはインカローズか、それとも他の石の力によるモノなのだろうか。
いや、今はそんな事を冷静に判断している場合ではない。磯山の身がとにかく危険なのだ。

「・・・・・・頼む、磯山を離せ! 先に俺を殺してくれよっ!」
「遅イよ。」
数時間前に彼と同じように小沢の前に立って、インカローズの攻撃を受けた相方の姿と磯山が重なり
口をついて出る小沢の叫びを、男は鼻で笑って退ける。

「・・・殺レ!」
放たれる、短い命令。
下から上へ、磯山を持ち上げようと群がっていた大蛇達が一斉に彼から離れると、
当然のように重力に引かれて落下を始めた磯山を今度は上から下へ押しつけるように襲いかかる。
世の中には20数mもの高さから落下して生存してみせる人間も決して居なくもないが、
恋に落ちる時の落下速度もかくやという加速で地面に叩き付けられたら、さすがの磯山でもどうだろうか。

緋色のエネルギーの奔流が大地と衝突して破裂し、ドォンと鈍く重い響きと共に土煙が上がるのを
全身から血の気が引く感覚を覚えながら、小沢には見ている事しかできない。
「磯山ぁあっ!!」
ただ、悲鳴じみた叫び声が小沢の口から発せられた。

まだ彼のアパタイトを握る手の方は指先まで動くようで。
ギュッと力一杯拳を握りしめたら、アパタイトの発する力で皮膚が灼けるような痛みを感じる。

・・・そうだ。自分が痛い分には、いくらでも何とか耐えられる。
けれど、他人が痛いのにはどうしても耐えられない。
だから、戦う時は一人が良かった。戦う時は一人で良かった。
それなのに。

776 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/10/07 05:46:47
「磯・・・・・・っ」
こうなってしまったら一体どうやって野村の前にツラを出せば良い?
呻くように呟きを洩らした小沢の耳に。

「お・・・小沢さん、ちょっ、そこ、避けてっ!」
頭上からそんな声が降り注いでくるのが届いた。
ハッとして見上げれば、そこには何故か紫色の輝きを身に纏った磯山の体躯。
咄嗟に小沢が一歩後ろに飛び退けば、バタバタと両手を振り回して何とかバランスを取りつつ
磯山はドスンと地面に着地した。

・・・どういう事?
まだ土煙は晴れきっておらず、確かに大蛇達が小爆発を起こした事を示している。
しかし目の前の磯山は衣服こそボロボロになっているが、その動きに異常はないようで。
何があったのか理解できず、小沢は思わず目を擦ってみた。

「キ様・・・あレでくたバらないなんテ・・・何者なんダ・・・?」
驚いたのは男も一緒らしい。手応え自体はあったのに、とそんな言葉が彼の口から漏れている。

「へへ、ぶっつけ本番だったけど・・・何とかイメージ通りに上手くいったみてぇだな。」
照れたように小さく笑みを浮かべ、磯山は小沢に告げる。
右の手で何かを持ち、それを勢い良く地面に叩き付ける・・・そんな仕草をしてみせながら。
「・・・・・・・・・!」
そう言えば、江戸むらさきのショートコントの中で、そういった仕草をするネタが幾つかあったはず。
気付いた小沢は目の前の磯山を見た。そして同時に言葉が放たれた。
「・・・スゥーパーボォール!」

777 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/10/07 05:48:41

そう。
磯山は大地に叩き付けられる直前、バイオレット・サファイアの力で己の肉体に強い弾力性を持たせて
大蛇達のエネルギーが破裂する寸前に地面から跳ね返り、上空へ逃れる事で直撃を避けたのだ。

「お気にのTシャツは破れるし・・・身体も無傷って訳じゃねーけどさ。」
・・・まだこれでリタイアするには早いってもんでしょ。大丈夫。
涙目の小沢を気遣い、落ち着かせるためか磯山はそう告げて。
今度は一転して小憎たらしいほどの自信に満ちた笑みを浮かべ、男の方を向く。

「さぁて・・・折角の奥の手みたいだったけど、もう同じ技は喰らわねぇぜ?」
そう言い切ってみせる磯山の姿は小沢には頼もしくあるけれど。
彼の露わになった肌に尋常ではない量の汗が滲んでいるのも見え、やはり石を扱っている事での負担が
じわじわと磯山に忍び寄っている事は確かのようだった。

とは言え、男も最初に小沢達と戦った時とそして今の戦いとで十二分に消耗はしているはず。
特に二度目の今の戦いでは小沢の作った虚像を消すためにエネルギー弾を乱発したり、
九つの鎌首を持つ大蛇という大技を出してきているのだ。
これ以上男が石を使おうとするならば、いつ精神力や体力が途切れて気絶してもおかしくはない。
そうなれば小沢が指が鳴らせない今の状況でも、石だけ失敬して後でゆっくり封印する事も可能なのだが。


「・・・・・・・・・・・・。」

それでも、男の手にあるインカローズは輝きを失おうとはしない。
むしろ、この状況になっても尚どす黒い赤みを帯びた光が鉱石から湧き出して男の周囲を照らしている。

「・・・磯、気を付けて。厭な予感がする。」
戦い始めの頃は、インカローズはまだそれほどどす黒い輝きを発してはいなかった筈。
これは、もしや。小声で小沢が磯山に囁こうとした、その直後。

778 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/10/07 05:50:11
男を・・・いや、インカローズを中心にして、ドクンという鼓動が音というよりも衝撃波の形で
空気を伝わり、二人に届く。
「何だ・・・っ?」
「やはりあの男・・・石に呑まれたか。」

脈動を重ねながらインカローズから湧き出す輝きが男を飲み込み、なおも膨れ上がって
大蛇が可愛く思えるほどの、今までで一番巨大な蛇の姿を形作りだした。
全長が十数mもあるその蛇は体躯に見合った翼を持ち、広げられようとしたそれは
小沢の張った結界に遮られ、中途半端に開くのみに留まる。
それでもそれは並の迫力ではなく、これはハリウッド映画の一シーンかと現実逃避しそうになるぐらいで。

「こいつは・・・ケツァルコアトル・・・?」
所有者を呑み込む事で、所有者の精神力や体力を考慮する事なく本能のまま己の力を発揮し始めた
インカローズが形作る姿に、磯山がポツリと呟きをこぼした。
「何、そのケツアルなんとかって・・・。」
「ケツァルコアトル・・・アステカの神サマだ。漫画やゲームで、たまに出てくる。」
「『インカ』と『アステカ』は微妙に違う気もするけど・・・って、そんな事言ってる場合でもないか。」
インドア派らしい磯山の注釈に、小沢が納得する間も与えずに。
赤い翼蛇・・・ケツァルコアトルが吼え、空気が震える。

『・・・シギャァアアアアア!』
「・・・・・・・・・くっ!」
頭から突進してくる、それをまずは二人はそれぞれ跳び退いて避けた。
ここまで未知数の相手に、いきなりがっぷり四つに組もうとするほど、磯山も無謀ではない。

ケツァルコアトルの頭部が地面に激突した衝撃で、大地が揺れる。
やはり蛇や大蛇とは比べモノにならない威力はよほど封じられたくないらしい、インカローズの本気。
逆に言えば、これを凌げば小沢達の勝利なのだろうけれど。
どうやったら、こんな化物を押さえ込む事が出来る?
小沢の片腕はまだ指先まで力が届かず、アパタイトの力を発動させる事もできないのに。

779 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/10/07 05:52:25
「小沢さん! 次、来ますよっ!」
「あ・・・あぁっ!」
鎌首をもたげ、すぐに次の動作に入るケツァルコアトルにはゆっくり策を練る時間すら貰えない。
磯山の呼びかけに応じ、小沢は開いている空間に逃げ込もうと走る、けれど。

アパタイトを乱用したお陰で疲弊している小沢に、そもそも普段通りの動きは期待できなかった。
急ぐ想いとは裏腹に足がもつれ、よりによって躓いてしまう。

「小沢さぁんっ!!」
磯山が叫ぶ声は、ケツァルコアトルが発する空気を震わす音でかき消される。
敢えて振り向いて見るまでもなく、近づいてくるのがわかる、禍禍しい気配。

・・・あぁ、俺、ここで死ぬのかな。
声にならない想いが脳裏を過ぎる小沢の目の前で。
太陽を思わせる光の矢が、今にも小沢を呑み込もうとしていたケツァルコアトルの胴体を貫いた。
エネルギーの流れに乱れが生じ、風が巻き起こって小沢の髪や衣服を煽る。

780 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/10/07 05:53:47

「・・・・・・・・・っ?!」
その山吹色の輝きに、小沢は見覚えがあった。いや、見覚えがあるなんてモノではない。
思わず目を見張る小沢をケツァルコアトルから庇うかのように、2ケツする男達を積んだ
一台のバイクが飛び込んでくると、ブレーキ音を立てて止まった。

「・・・こんなバカみたいなデカブツ、アタシ認めない、認めないよぉっ!」
すかさずバイクの後部にまたがる男が声を張り上げた瞬間、男を中心として山吹色の輝きが障壁を作り、
再度小沢に喰らい付こうとしたケツァルコアトルの顎は無惨にも形が見事に歪み、
そのまま頭部ごと焼け溶けるように消滅していく。

「たとえ仕事に遅刻はしても、格好良いトコには決して遅れない。それが井戸田流・・・なんてな。」
紫色の粒子となって消滅していくバイクから飛び降り、ヘルメットを脱ぎ去った男・・・井戸田は
冗談めかして笑ってみせると、小沢に手を差しのべた。

「ったく、小沢さんはすぐそーやって全部自分だけで抱え込もうとする!」
「ゴメン。でも・・・あともう一押しだから。」
告げられる言葉が何故か嬉しくて。井戸田の手を借りて立ち上がり、答える小沢の目には
また涙がうっすらと滲もうとしていた。

781 :"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE :04/10/07 05:58:57
次スレのタイトル決めてる最中に豚切りスマソ。

個人的には>>771のもしもシリーズ感が何か好きだw

782 :名無しさん:04/10/07 13:00:42
>>773
若手しばり要らなくね?若手と中堅の線引きだって微妙なんだしさ。

783 :名無しさん:04/10/07 17:14:30
うん、別にいらないと思う<若手しばり
んで、私も>>771の案好き(・∀・)なにげにわかりやすくもあるし。

784 :773:04/10/07 23:18:57
>>782
いらないな確かに。微妙だし。ということで>>771案に賛成。

785 :名無しさん:04/10/08 00:24:08
>>774-780
続き乙でーす
ROM専ですがいつも楽しみに見てます!

786 :名無しさん:04/10/09 13:01:07
捕手

787 :ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI :04/10/09 20:47:21
早く逃げ出さなくては。わかっているのに、腹から響く激痛がそれをさせてくれなかった。
そうこうしている間に、詰め寄ってきた長井の手が首に伸びてくる。
「…かわし…ま…」
不意に長井が口を開いた。

「川島…逃げ…」

しかしその言葉は最後まで聞き取られる事は無かった。
その声に覆いかぶさるようにして発せられた言葉が、川島の背筋を凍らせた。

「お前の石はどこだ?」

まるで地の底から響くような低くドスのきいた声。
突然の豹変に川島は悲鳴を上げそうになったが、首を強く絞められ大声が出ない。
ギラギラと光る目が川島を睨みつける。
「…い、石…っ……?」
「…とぼけるな。」
頭が霞み、耳鳴りがする。長井の指は、力も衰えず川島の首に巻きついているため逃げる事は不可能だ。
―――ああ、もうダメだ。
川島が死を覚悟して目を閉じた時、

「失礼致します。」

突然後ろから良く通る声が聞こえた。

788 :ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI :04/10/09 20:48:06

「拙者、さすらいのギター侍・波田陽区と申します。長井秀和殿、お手合わせ願いたい。」

妙に堅苦しいその物言い、和服にギターという特徴的な出で立ちの小柄な体つき。
その男こそ、巷で話題のピン芸人、波田陽区その人であった。
ボロロン、ギターが小さく音を奏でる。
なぜ波田陽区がこんな所にいるのか。そんな事より、どう見ても頼りないこの男に今の長井が倒せるはずがない。
「逃げろ」と叫びたかった川島だが、キレた長井によって壁に叩きつけられ、それすらも出来なかった。
「ぐッ、ぅ…」
ゲホゲホゲホッ、首が解放された事により、急に送り込まれた大量の酸素に喉が詰まる。
「川島殿、下がられよ!」
突然そう叫ばれ、川島は反射的に身を引いた。見ると、波田がその小さな体で長井に挑もうとする所だった。
波田に向かって一直線に飛びかかってくる長井。それに対して波田はギターを盾にして身構えている。
まさかギターで戦うってのか?そんな馬鹿な。
しかしそのまさか。波田は「だぁッ!!」と叫ぶと、ギターを振り上げ長井の胸に強烈な一撃をお見舞いした。
もともと加速づいてしまった上、ヘッド部分が突き刺さったのだ。
長井の痛みは計り知れない。ダンッ、と床に倒れ込むと、胸を押さえてうずくまってしまった。
「今のうちに逃げまするぞ川島殿。」


789 :ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI :04/10/09 20:49:55

ぐいっ、と腕を引っ張られて廊下へ引きずり出される。
「奥に使われていない部屋がありますのでそこへ…」
言われるままその楽屋へ飛び込み、しっかり鍵をかける。
途端に力が抜けて床にへたり込む川島。改めて、自分を助けてくれた目の前の男に深々と頭を下げた。
「…波田さん、ありがとうございます。」
波田は首を横に振り「気にしないでください。」とそう言って笑った。
その顔は控え室などで良くみかける、普段の波田の表情だった。口調も普段の口調に戻っている。
「俺、楽屋川島さんのいた部屋の隣だったんですよ。突然壁に穴が開いたから焦りましたよ。」
眉間にしわを刻み、波田は苦笑いを浮かべる。
「…何があったんだか…、長井さんがなんかおかしくなって…」
混乱し、そう問う川島に、波田は意外にあっさりとこう答えた。
「長井さん、拒否反応起こしてんですよ」
「…拒否反応?」
そう尋ねると、波田はちらりと川島を一瞥し、
「川島さんはまだ知らないんでしょうね。」とそう言った。
「石って、ご存知ですか?」
「石…」
「最近芸人の間で何者かによってバラまかれている、すごい魔力を秘めた石の事です。」
波田は、扉に寄り添うようにして座ると、ぽつりぽつりと話し出した。


790 :ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI :04/10/09 20:50:58

「石を手にした人間は、石と共鳴することで特殊な能力を身につける事が出来ます。
 …しかし長井さんはそれを拒んだ。人格が失われてるのはその影響です。
 今、長井さんはあの体の中で必死で石に抵抗してるんですよ。」

長井はあの時、確かに「逃げろ」と言った。
あれは本物の長井の人格が自分の身を案じて必死に発した言葉だったのだ。
石に侵食されながらも、ただ自分のために。

「信じがたい話ですけど…」
波田は気を使っているのか、おずおずとそう言ったが、
「いや、信じますよ。…信じます。」
川島は力強い口調でそう返した。

「長井さんを助けることは出来ませんか?まさか、もうずっとあのままじゃ…」
その問いに対して、波田は懐から小さな石を取り出し川島の前にかざして見せる。
細い麻紐で括られ、ペンダントのように加工されたその石は、うっすらミルク色で、薄暗い部屋の中でも独特の光沢を放っていた。
「これは俺の石です。俺の能力はちょっと変わってるんで…もしかしたら長井さんを助けられるかもしれない。」
波田はそう言うと、自分の首にそれをかけ、ギターをぐっと持ち直した。

「川島殿、扉を開けて頂けますか。長井殿が扉の向こうにおられる。」
「え…!」


791 :ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI :04/10/09 20:55:57
次スレのタイトル検討中失礼します。

生意気ながらもトリップつけさせて頂きました。
長くなってすみません、もう少し続きます。

792 :名無しさん:04/10/10 01:16:50
そろそろ投下控えようよ。まずは次スレの話し合いじゃないの?

793 :名無しさん:04/10/10 01:39:32
今更だが>>1はこのスレが創作小説投下スレになってこんなに続くとは思っても居なかっただろうな

794 :名無しさん:04/10/10 01:52:37
ピン芸人書きさん乙!ピン好きなので楽しみにしてます。

とりあえずスレ名は>>771に決定?
まとめサイトが
http://risus.ifdef.jp/index.htm
設定まとめられん…

795 :名無しさん:04/10/10 01:59:40
>>787-790
乙です!いつも楽しく読まさしてもらってます!
波田が口調がなんか丁寧なんですねw能力も気になるなぁ

スレタイはもう>>771でケテーイで、若手しばりは無し、あとsage進行か。
テンプレはあと何が必要かな。

796 :名無しさん:04/10/10 02:00:45
>>794
被った…スマソ

797 :名無しさん:04/10/10 02:20:08
ピン芸人書きさん乙です!
続き楽しみに待っています。

>>795
テンプレはまとめサイトに書いてあるやつは必要と思う。
・死ネタは禁止
・やおい禁止、しかるべき板でどうぞ
・sage必須でお願いします
・職人さんはコテハン(トリップ推奨)
・長編になる場合は、このスレのみの固定ハンドルを使用する事を推奨
これと、
・芸人にもしもこんな力があったら、というのを軸にした小説投稿スレです
・力を使うには石が必要となります(石の種類は何でもOK)
(書き手さん用)
・石や能力はなるべく被らない様に(番外編ならば多少被ってもOK
・文中で新たな能力が出た場合は、必ず最後に記すこと
・文の最初にレス番号をつけて、何処からの続きなのか明記すること

バトロワスレから拝借いたしました。
あと、スレ名は>>771で決定しますか。

798 :名無しさん:04/10/10 23:42:09
>>797
テンプレ(・∀・)イイ!!んじゃないかな
あと一応本編=「舞台は日常、芸人たちの間にばら撒かれている石を中心にした話」で
番外=(今のところ)「バトロワ風味」で良いのかな?

799 :名無しさん:04/10/11 15:47:18
いいんじゃないですか?少なくとも私はこれでいいと思いますよ。

800 :名無しさん:04/10/11 15:51:15
自分もこれでいいと思います〜。

>>799
>>797にあるけどsage必須でお願いします。

801 :名無しさん:04/10/11 18:34:34
スレタイ
【石の力】もし芸人に不思議な力があったら【開放】

・死ネタは禁止
・やおい禁止、しかるべき板でどうぞ
・sage必須でお願いします
・職人さんはコテハン(トリップ推奨)
・長編になる場合は、このスレのみの固定ハンドルを使用する事を推奨
・芸人にもしもこんな力があったら、というのを軸にした小説投稿スレです
・一応本編は「芸人たちの間にばら撒かれている石を中心にした話(@日常)」ということになってます
・力を使うには石が必要となります(石の種類は何でもOK)
(書き手さん用)
・石や能力はなるべく被らない様に(番外編ならば多少被ってもOK
・文中で新たな能力が出た場合は、必ず最後に記すこと
・文の最初にレス番号をつけて、何処からの続きなのか明記すること

こんな感じでオケ?

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